シニアデビューシーズンのGPファイナルで女王ザギトワを破って優勝を飾った紀平選手。
早くも4年後の北京五輪での金メダル候補としても注目されていますね。
そこに立ちはだかってくるのが4回転も跳ぶロシア勢。
紀平選手は4回転ロシア勢を倒すことができるのか?
可能性を検討します。
Contents
対ザギトワ@グランプリファイナル
鍵はトリプルアクセル
紀平選手はGPファイナルでは、GPシリーズで2試合続けてSPで成功できなかったトリプルアクセルを決めてザギトワ選手に4.58もの差をつけて首位に立ちました。
フリーでは冒頭のトリプルアクセルで両手をつくミスがありましたが、次のジャンプをトリプルアクセル+2回転トウループのコンビネーションに変えてトリプルアクセルを成功させ、冷静にプログラムを変更し、点数を取り返しました。
フランス杯でも冒頭のトリプルアクセルの連続ジャンプに失敗しましたが、この時は、ダブルアクセル+3回転トゥループにしていました。
しかし、今回は思い切って再度トリプルアクセルに挑戦して見事に成功させたのです。
一方、ザギトワ選手はコンビネーションジャンプで3回転ルッツの後につける3回転トウループが1回転になり、想定していた点数を得られませんでした。(-4点ほど)
結局、紀平選手は2位のザギトワ選手に6.59点差をつけてシニアデビューシーズンにGPファイナル初優勝という快挙を達成しました。
今回は紀平選手の適応力の高さが素晴らしかったですね。
フリーで7つあるジャンプの基礎点の合計は、互いに1つずつジャンプにミスがありましたが、2つ目のトリプルアクセルの成功したため、紀平選手は47.95、ザギトワは44.04で、3.91の差がついていたのです。
やはりトリプルアクセル恐るべしですね。
ジャンプでの2点を超える高い出来栄え点
紀平選手がザギトワ選手より優れていたもう一つの点はジャンプの高い加点です。
トリプルアクセル+2回転トウループで2.06点
トリプルルッツ-トリプルトウループは2.19点の加点がつき
2つのジャンプで2点を超える高い出来栄えの加点をもらいました。
さらにNHK杯ではトリプルアクセルで3.09点の加点ももらっています。
ザギトワ選手もジャンプでは全て出来栄えの加点ももらっていますが
紀平選手のように2点を超える加点はありませんでした。
これにはジャンプ後の着氷の美しさが関係しています。
紀平選手は流れのあるランディングを見せますが、ザギトワ選手はジャンプの直後にターンやステップなどの細かい動きを入れてきます。
ジャンプの前後に細かい技術を入れることは高度な技術ですが、それにより流れを失うケースもあります。
紀平選手のジャンプに対する出来栄え点が高いのもランディングの美しさが影響しているのです。
そして流れるようなランディングは正確な踏み切りや空中での軸の安定がなければ生まれないのです。
紀平選手は今回演技構成点でもザギトワ選手とほぼ互角でしたし
着氷後の流れるようなランディングによる高いジャンプの出来栄え点もザギトワ選手に勝っていたのですね。
ライバルはザギトワだけではない。4回転を跳ぶジュニア勢
しかし、強力なロシア勢のライバルはザギトワ選手だけではありません。
4年後の北京オリンピックで主力になってくるであろうジュニア世代には既に試合で4回転を決めている4回転ジャンパーたちがひしめいています。
今回のジュニアのGPファイナルでも1位から5位をロシアが独占しています。
その中でも14歳シニア目前のアレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワの2人は4回転ジャンプを跳んでいます。
トゥルソワ選手はサルコウ、トゥループだけでなく、男子でも難しい4回転ルッツまで習得しています。
今大会では、4回転もトリプルアクセルも持たない15歳のアリョーナ・コストルナヤが217.98点のハイスコアで優勝しました。
トゥルソワ選手は公式練習では、4回転ルッツ+3回転トゥループの連続ジャンプを成功させていましたが、本番では失敗したものの215.20点という高い得点で2位となりました。
トリプルアクセルで4回転に対抗できる?
彼女たちが、今後、4回転の成功率を高めてくると、紀平選手のトリプルアクセルで対抗できるのでしょうか?
もしも今のルールで変更がなければ紀平選手のトリプルアクセルで十分に勝てる可能性がありそうです。
改正後の現行のルールでは、出来栄え点の幅が増え、ジャンプの難易度や種類を競うよりも、ひとつひとつのジャンプの完成度、演技トータルの芸術性、作品性が高く評価される傾向にあるからです。
逆にミスした場合には得点が伸びません。
しかも、現在は、女子ではSPで4回転は禁じられています。
フリーだけの4回転で、しかも、失敗率の高いジャンプでは、それほど大きなアドバンテージにはならないからです。
ルールが変わった場合は?
ただし、北京オリンピックは4年後です。
そのことを考えると、まだ不確定要素が多いので
今の段階で北京オリンピックの展望を予想することは難しいと言えます。
今後、ルール改正で女子のSPでの4回転が認められたり、ジャッジの傾向が変わる可能性も考えられます。
しかし紀平選手は4回転をすでに練習しているということですから、ルールが変わってもロシア勢に対抗できると思います。
ロシアのジュニア世代のこの先4年間の成長度もカギになってきます。
また、ロシアの選手層を考えると4年後にはまた新しい人材が表れている可能性もあります。
そして、さらなる問題は紀平選手自身が、今後直面するであろう肉体の変化という課題です。
フィギュアの女子選手が避けて通れない肉体面の変化ににどう対応するかが問題になってくる可能性もあります。
まとめ
現状では、紀平選手は能力的には十分に4回転ロシア勢を倒すことができる可能性を秘めていると言えるでしょう。
しかし、4年後の北京オリンピックでの金メダルの予想をするには現段階では不確定要素が多すぎて難しいと言えます。
紀平選手の今後のさらなる成長を見守ってゆきたいですね。
まずは、来年3月の世界選手権の選考会を兼ねた20日(女子シングルSPは21日)から大阪で始まる全日本選手権を楽しみにしましょう。
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