フィギュアスケートで花形として注目されるのは、女子男子ともにシングルです。
皆さんがご存知の選手、ニュースで報道されるのは、やっぱり注目されるシングルの選手です。
男子では羽生選手、宇野選手、高橋選手・・・、女子では紀平選手、坂本選手、宮原選手・・・など、活躍、注目されているのはシングルの選手です。
今回はアイスダンスの未来を担う15歳吉田唄菜選手と17歳西山真瑚選手に注目して、アイスダンスの魅力を紹介します。
Contents
アイスダンスを知っていますか?
アイスダンスとは『氷上の社交ダンス』とも言われ、一組の男女が音楽に合わせてステップワークやリフトなどを行いショートダンスとフリーダンスの合計得点で競います。
基本的に男女が離れて演技することが禁止され、男女が別々にスピンを行うソロスピン、1回転半を超えるジャンプ、パートナーを肩より上に持ち上げるリフト、制限時間を超えるリフトなどは禁止されています。
今のトレンドとしては、二人が接近しスピーディで切れのあるステップワークが要求されています。
シングルのように比較的成否の判断がつきやすいジャンプが必須要素ではないため、転倒も少なく、我々ではカップル間の出来映えの差が分かりにくい競技でもあります。
しかし、感性で感じる、わかる部分もあります。
男女の一組で滑る競技にはアイスダンスとペアがあるので、混乱しがちです。
これらの違いは
「ペア」
ジャンプやリフトがあり、その技の難易度や完成度などが採点基準になります。
特にリフトなどは高さが要求され、男性には腕力も必要となります。
そのため、大きな転倒や事故につながりやすく、フィギュアスケートの中で最も危険な種目です。
「アイスダンス」
ジャンプやリフトは制限され、ステップや姿勢・2人の組み方などが採点基準になります。
比較的転倒も少なく、大きな事故はあまりありません
オリンピック競技としても、「ペア」は1908年から「シングル」と同時に競技種目に採用されていますが、「アイスダンス」は1976年に採用された比較的新しい種目です。
時代と共にリードする強豪国も移り変わり、1950年代はイギリス、1970年代からソビエト連邦(ロシア)が中心となり、ロシア、アメリカ、フランス、イタリア、カナダなどが有力選手を数多く輩出しています。
アイスダンスの未来!15歳吉田唄菜と17歳西山真瑚
シングルでは日本が中心とも言える活躍をしていますが、アイスダンスでは残念ながら活躍できていません。
2018年夏には、四大陸で銅メダルを手にして将来を期待されていた全日本チャンピオンの村元哉中&クリス・リードがパートナーシップを解消し、日本のアイスダンスの未来を懸念する声も高まっていました。
そんな中で8月28日から31日にアメリカのレイクプラシッドで開催されたジュニアGPアメリカ大会のアイスダンスで、初出場した日本代表の吉田唄菜(よしだうたな)選手と西山真瑚(にしやましんご)選手のペアが13組中6位と健闘しました。
この2人は15歳と17歳で、今年の2月に正式にアイスダンスペアを結成したばかりで、アイスダンスの未来を担う期待の新星なのです。
吉田唄菜(よしだうたな)選手
小学1年生(7歳)からシングルとアイスダンスを始め、中学1年生からパートナーと組み本格的にアイスダンスを開始しました。
吉田選手は以前のパートナーと2016/2017全日本ジュニアに出場して4位になりました。
そして、新しいパートナーを募集していたのです。
西山真瑚(にしやましんご)選手
西山選手は元々シングルの選手で、2017年1月からトロントのクリケットクラブに拠点をおいてブライアン・オーサーのコーチチームの指導を受け(羽生選手と一緒のところです)、全日本ジュニアに出場した経歴もある選手なのです。
西山選手は2018年秋に腰を負傷してジャンプの練習を中断していたこともあり、アイスダンスに取り組みました。
吉田唄菜・西山真瑚組結成
この二人がパートナーとして紹介され、2018年11月より吉田唄菜・西山真瑚組が結成したのです。
2019年2月から吉田選手もトロントのクリケットクラブに移って、2人は本格的にトレーニングを開始しました。
アイスダンスの魅力と面白さ
『(アイスダンスは)いきが合わないときはつらいけれど、合ったなというときはとても気持ちが良い。これはシングルでは味わえない感覚でした』と語る西山選手。
初めて『うまく合ったな』と感じるまでに3、4ヶ月くらいかかったそうです。
西山選手は、まだジャンプの練習の再開はできていませんが、アイスダンスと並行してシングル選手としての活動も続けていく予定ということです。
今流行りに二刀流ということですね。
”うたしん”ペアの今季フリープログラムである『ドン・キホーテ』は、海外のプレス関係者からも絶賛されています。
振付は世界チャンピオン、パパダキス&シゼロンの指導もしているロマン・アグノエルです。
『クラシックバレエ風にきれいに踊るのが好き』という西山選手が、チャーミングにキトリを演じる吉田をうまくリードして、見ごたえのある華やかな作品に仕上がっていて、注目のプログラムなのです。
じつは、ロイヤルバレエ団プリンシパルの高田茜さんは西山選手の親戚でもあるのです。
東京でリンクに来てもらい、動きを指導してもらったこともあったそうです。
綺麗に踊る血筋みたいのものがあるのかも知れません。
世界ジュニアに出場して10番以内になること
日本は、シングルに比べるとアイスダンスもペアもまだ世界に後れをとっています。
西山選手は言葉を探しながら
『ぼくたちの力だけでできるかどうかはわかりませんが、男子シングルも高橋大輔選手、羽生結弦選手のような選手たちが強くなって、結果を出してくれたおかげで人気が出てきた。自分たちもどこまでいけるかわからないけれど、世界で頑張っているということを少しでも多くの人たちに知ってもらいたい。それでダンスをやろうかなという子供たちが少しでも増えたらいいなと思います』
そして吉田選手が、『それと日本ではアイスダンスができる環境が限られているので、もっと場所が増えていったらよいなと思っています』と付け加えました。
さらに今季の目標は、『世界ジュニアに出場して、10番以内になること』です。
急成長中の”うたしん”ペアでは、十分可能なのではないでしょうか?
これからの活躍に注目です!!
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